七彩マネキン物語

第26話...マネキンのネーミング

マネキンにも名前がある・・・・。商品に商品名やキャラクター名がある以上、マネキンに商品名があっても何も不思議ではないはずです。ところが、マネキンに付けられる商品名は、バービーやジェニー、リカちゃんと同様に、愛称、或いは名前と言った意味合いを持ちます。それは、ひとがたであることに関係があるようです。特にマネキンの場合は、等身大で、人間に近いリアリティを持っているために、キャラクター人形やフィギュアに付けられる愛称とは少し異なったニュアンスを感じさせます。それは、人格を持った人間につけられるネーミングに近い感覚です。中でも「・・・ちゃん」と呼ぶには対応年齢が高すぎるタイプのマネキンの場合、愛称と言うより名前といった方が違和感がありません。

マネキンに名前が付けられているのは、何も七彩に限ったことではなく、ブランド時代の今日では世界共通現象です。因みに古くは1930年代後半のパリのマネキン会社ピエール・イマンのカタログに登場するマネキンにも名前が付けられています。ところが同じ時代の島津マネキンのカタログを見ても名前は何処にも見当たりません。戦後、七彩が発足してから30年間は、アルファベットと数字による品番のみの時代が続き名前をつけませんでした。七彩が意識的にマネキンに名前を付け、カタログ上に表示したのは、1974年の「PAL」が最初ですが、この名前はその後品番として使用されるようになり、同じキャラクターのマネキンシリーズの固有名詞ではなくなりました。1977年〜78年に、初めて固有名詞を持ったシリーズが登場します。その時代にお世話になった皆さんには、懐かしい名前ですが、ジュニアマネキン「アミカル」やキャリアウーマンタイプの「ボーベル」、子供マネキンの「スキップ」がそれで、何れも大ヒットした名作シリーズです。その後1984年までは品番中心時代が復活しますが、1985年を契機に新たなコンセプトで発表するマネキンには、ブランド名としての名前を付けることが固定化し今日に至っています。

1985年に名前をつけて発表したマネキンの中で、16年間が経過した今日でも店頭で愛用されているシリーズは「REY:レイ」「LIVE:ライブ」です。その後、親しみを持って愛用された名前のシリーズは数多く登場しますが、中でもマネキンシリーズのネーミングがマスコミ受けしたことによって、知名度を高めた例を紹介します。1996年発表の「NAOMI:ナオミ」がそれです。極めつけは、1996年10月11日号の「週刊朝日」のグラビア特集「イマどきCM美娘はアーモンド・アイ」です。“アーモンド形の美しい弧を描き、心持ち釣り上がった目「アーモンド・アイ」が現在流行中・・・”との文章で始まるこの特集は、アーモンド・アイの6人のモデルが登場。写真とともに個人名を大きめに紹介しています。2番目にマネキンである「NAOMI」が登場。あたかも人間のようにその名前が扱われています。この時期、「NAOMI」と言う名前がマスコミで一人歩きし、随分評判になりました。

2002年発表のマネキンシリーズにもそれぞれ名前がつけられています。「FORTE:フォルテ」「MINT:ミント」のようにコンセプトが同じ場合は、2年にわたって同じ名前が付けられます。七彩の場合、マネキンの名前は基本的にマネキン作家が付けることになっています。マネキンは人間のように本名はなく、芸名だけで「一生」を過ごすのです。(つづく)

  • アミカル
  • スキップ
  • NAOMI

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